便秘薬は 大きくわけて2つのタイプがあります

便秘薬は 大きく分けて2つのタイプがあります

 刺激性の薬剤と非刺激性の薬剤になります。
刺激性とは 薬の力で 腸を動かすタイプです
お腹を動かしますので 腹痛が出やすい傾向があります
また 長期間の服用で習慣化しやすく 薬を飲まないと腸が動かないという方もおられます。

この動きの低下は不可逆的となり場合によっては外科的治療が必要な場合もあります。
もし 習慣化しているようであれば 便秘を診察できる専門医への早めの受診をお勧めします。
私が 以前 相談を受けた患者さまでは コーラックを20錠ほど飲まないと排便がおこ
らず その方は1カ月以上も便意を催していないと言われてました。
ひどい時は 嘔吐と失心で 救急車で運ばれた後に即 治療された事もあったそうです。
それと 長期間の服用による大腸メラノーシスという現象がおこってきます。
これは 腸の内側が黒くなることで 服用をやめると時間的経過と共になくなりますが
大腸内視鏡検査などの診断時に黒くなっていて医師がポリープを見つけにくくなります。
このような刺激性薬剤は 一過性の便秘治療においては 有効ですが慢性便秘症の長期治療には適しませんので専門医の治療がお勧めです。
ドラックストアで販売されている製品の大半が このタイプになります。
非刺激性下剤とは 酸化マグネシウムがしゅせいぶんの薬剤です。
特徴としては 水分を腸管内側に取り込む事により 内容物(便)を柔らかくして排便をスムーズにおこさせる薬剤です。硬便を改善する作用です。
この系統の薬剤は 腹痛をおこさせる事はありませんが 誤った使い方をすると
例えば 排便がおこなわれないため 服用量を増加するなどで マグネシウム血症という体内にとっては良くない現象もおこる可能性があります(実際 死亡例もあり 厚労省からの注意喚起医療機関には出ています)
どちらのタイプの薬剤にしても一長一短はありますが 個人的な意見としては 
一過性の便秘ならば 腸を動かすタイプの薬剤を服用されても良いかと思います。
硬便傾向であるならば 酸化マグネシウムのような便を柔らかくするタイプの薬剤を 決められた服用量の範囲内で飲む事をお勧めします。(ただし 腎機能が正常である事が条件です)
また 刺激性下剤の注意点としては 妊婦さんは 控えてください 1部の成分で 子宮収縮作用を誘発して流早産のリスクがでてきます。同時に 授乳中の女性の方も控えてください。薬の成分が体内から母乳に移行して乳児が下痢をしたとの報告があります。
今回は 便秘治療における2つのタイプの薬剤を説明させてもらいましたが どちらのタイプにしても 漠然と毎日 服用されているようでしたら 専門医の受診をお勧めします。

次回は もう一つ違ったタイプの薬剤を紹介します。